稲川圭子はフィアンセの田村樹生がノイローゼ気味なので、父の紹介で神経科醫(yī)、會沢を訪ね、相談した。樹生は幼い頃、田村家に養(yǎng)子にきて、四人兄弟の末っ子となった。その樹生の三人の兄が理由もなく失蹤したのだ。熊本で薬局を営む長兄?順吉が二年前に、東海村原子力研究員の次兄?和生、沼津で製氷業(yè)を営む三兄の捷平がこの二ヵ月間に相次いで失蹤した。樹生は次は自分の番だと心配していた。會沢は圭子の話に興味を持ち、樹生に會った。そして人間には夢で近い將來に起こる危険を予知する能力があるが、樹生にもそれがあることから夢の記述をすすめた。圭子は夢の謎を追って兄たちの家々を訪ねた。そして、捷平の妻から、夫が長兄の順吉を訪ねた時に一緒に寫した寫真に仄白い老人が寫ってたことを聞き、圭子は順吉のいた熊本に向った。順吉の妻ミツは兄の久世の所に身を寄せており、その久世によると、順吉の描い...